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旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

<ポーカーフエイス>

    <ポ-カーフエイス>

ポーカーフエイスという言葉は、とぼけた顔、
白々しくすました顔に使われるが、
この作品では、
無表情に相手の顔をじっと見る、
まさにアラン.ドロン独特の表情を指している。
そして、ポーカー<カード>の賭け事師としての顔も指す。

カードのギャンブラーとしての生業(なりわい)で、毎日を送っている
男がひょんなことから事件に巻き込まれるという、
彼のアクション作品の中でも一級品のサスペンスです。
監督はドロンとの名コンビジャック.ドレー。
..プロデユースは、もちろんドロン自身です。

  ストーリー

武器の密輸をしている面々が集まっている。
そのなかの何人かは仕事から降りる意思を示したようである。

田舎にちょっとしたレストランをしている一人暮らしの母を
残し、パリに住むミッシェル(ドロン)は、
いつものようにポーカーをしに行く途中で、
森を抜ける道路に交通事故にあって瀕死の重傷を負いながら
置き去りにされている紳士を助け、
病院に運んだ。

駐車場に止めた彼の車を物色している不信な男二人がいた。
急ぐ彼はそのままポ-カー仲間の所へ行った。

紳士は死んだようである。
不審な男たちはある家を訪ねた。
紳士的な態度で、書類を受け取りに来たと言う男たちに
疑いもせず浴室にいる夫のもとへ通したが、
夫は殺されていた。

一方、ミッシェルは
恋人ペア(ダリラ.デイ.ラッフアーロ)の待つ
アパートへ帰り、一緒に母の元へバカンスに
出かけた。

男の子を学校へ送ったある男が信号待ちをしていて、
銃で撃ち殺された。三人目である。

ミッシェルは、恋人ペアを母に紹介し、海へ泳ぎに出かけた。
水の中で彼は何者かに襲われ危うく溺れかけるところであった。

怖くなった矢先、母の店で手に取った新聞で
昨夜助けた紳士の死を知ったが、驚いたのは
その事よりもその紳士の身分であった。

軍事企業のエムリッシュ社の重役であった。

そして交通事故ではなく、
銃弾2発を打ち込まれていたムゾンという重役であったこと、
他の重役ふたりが殺された事も驚きであった。

ムゾンが虫の息で、
ミッシェルに何かを漏らしたのではないかと
考えたエムリッシュ社の社長は腹心の部下、
ブランス(ミシェル.オークレー)に
ミッシェル殺害を命じたのだった。

何も知らないミッシェルは何者が自分を襲ってきたのか、
この殺人事件と関係があるのか..情報局の友人リエタールに
相談に出かけるべくペアを母の元に残し、
パリへ一人飛んで帰した。

リエタールと一緒に自宅へ帰ったところで、殺し屋が
またしても襲ってきて
リエタールはドアののぞき窓を覗いたところを
銃で撃たれあえなく殺されてしまった。

それから、ミッシェルの逃亡が始まるが
殺し屋達は執拗に追う。

この辺りからのクラシックのバックミュージックに
乗せたカーアクションがすさまじい・

スタンドで給油中の殺し屋をしとめる恐怖。

一方リエタール殺害の疑いもかけられるミッシェル。

(また、猫の登場で軍事企業社長が猫を撫でているよ。)

相次ぐ殺しの失敗にブランスを責める社長。

独裁者の社長に腹心のブランスも辟易している。

一方、パリへ戻ってきたペアを警視庁の警部が訪れる。

尋問を受けた後、部屋を見回していた警部は浴室で
倒れているミッシェルを発見。

病院へ運び、彼が作り上げた事件のストーリーをペアに話す。

目をつぶって聞いていたミッシェルは警部が帰った後、
ペアに何かを命じる。

ミッシェルのアパートへ戻ったペアを殺し屋が狙う。

病院のミッシェルを襲う殺し屋。

ペアまで巻き込まれ、彼女に田舎の友達の家にでも隠れていろと
ミッシェルはホテルへ。

敵がエムリッシュ社長と感づいたミッシェルは決心した。

殺されたもう一人の重役の自宅を訪ねる。

出迎えた甥という人物を説得し、協力を頼む。

ミッシェルが事実をつかんだ頃、

敵はミッシェルを抱き込もうと近づいてくる。

社長に向き合ったミッシェルはムゾン(紳士)からは

なにも聞いていないというが信用するはずも無い。

どうやら、ムゾンが欠陥ミサイルの件を漏らしたと

思っていたらしい。

興奮した社長はあっさりと心臓発作で死んでしまった。

仲間とは言え、ほっとしたブランス。

すべては終わった。

ブランスは有能なミッシェルに、自分と組めと執拗に
求めたが、気楽に暮らしたい彼は、申し出を断る。

穏やかなブランスに見えるが...。

恋人ペアの元に急いだ。

穏やかな天気...
ペアと街の散歩を楽しむミッシェルに、

タバコの火を..と男が近づいた。

ライターを取り出した彼の口へ銃口は
入れられたのだった.....。

スピーデイーなストーリーの運びとサスペンスは
特に楽しめる一作で、ここにもプロデユーサー、
アランのこだわりが随所に見られます。

絵画、音楽、音楽はこの作品は全編クラッシックで占められる。

ミッシェルの車の中も流れるのはクラッシックだし、
黒幕、エムリッシュ社長もしかり。

作品の中でペアが警部からミッシェルトはどんな人物だ?と
聞かれ、
 ”冷淡に見えるのは無口で、慎み深い、
   冷たいのは遠慮と誇りからよ”と答える。

ただのギャンブラーなのだが、
殺し屋とは対等にわたりあい、
それとなく暗黒街にも通じており、
企業のトップから、
また、仲間にも誘われたりする魅力ある謎の人物として、
反面、
母親や恋人には細かい愛情を示す人物として登場。

実生活のアランとはこんな人と思わせ、またまた

実物半分の登場人物を楽しめるわけである。


1980年度作

監督/ジャック・ドレー
出演/アラン・ドロン、ダリラ・ディ・ラッツァーロ、
ミシェル・オークレール







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